日本と海外のスパイス事情の違い

日本におけるスパイスやハーブの位置づけ

 

日本料理が近年世界中でブームになっています。世界のあちこちで寿司屋やラーメン屋、お好み焼屋などがオープンしていて、和食に対する関心もかなり高まっています。日本食のうまみを活かす特徴や健康的である事がその人気の大きな理由と言えますが、逆に日本でも食の欧米化、エスニック料理に関する関心は高まっています。

 

とりわけ海外居住の経験がある人たちなどは海外のスパイスやハーブに強い関心を示す傾向があります。このように食文化は現在国を超えてボーダレスの様相を呈しています。そういう中にあって、肉や魚や野菜と言った食材だけでなく味を引き締めるスパイスやハーブといった素材の利用や応用に通じることがとても大切になっていると言えるでしょう。

 

料理は自由性が高くあるべきものです。ですから伝統的な味付けだけでなく多種多様な素材を活かした創作料理も普及することが期待されます。

 

日本のスパイス事情

とはいえ日本においてスパイスの日常的な使用はまだまだ一般的にはなっていません。

 

これには色々な理由が考えられます。伝統的な日本料理を見てみると、旬のものを使用することがしばしば重視されていることが分かります。つまりそのタイミングでの比較的新鮮な素材を使うということです。

 

ですから臭い消しとか保存性を考えたスパイスの用いられ方はそれほど話題にはなってきませんでした。また日本料理は「素材を活かす」という考え方がとても重要です。香辛料を使うとしたらそれは「薬味」の位置づけのためであり、多量に使用して味全体を整えるような使い方とは違います。

 

実際スパイスは香辛料と同義で扱われることが多いですが、香辛料と言う言葉に見るように、日本人のスパイスのイメージは「辛い」です。甘みを伴うスパイスはあまり連想されません。味のトーンを変えるのではなくメインの淡白な素材にワンアクセントを与える役割、それが日本におけるスパイスの背景と言えるでしょう。

 

海外のスパイス事情

一方海外では古くからスパイスが多用されていて、スパイスをめぐって覇権争いが起きるほどの歴史を繰り広げるほど、スパイスへの執着は強くあります。インド料理屋の近くを通った時にかなりスパイシーな香りがたちのぼっているのを経験したことがあるという人も多いと思いますが、スパイスをかなり目立たせる食文化もこのように存在します。

 

ヨーロッパを例にあげれば、肉をたくさん食べる文化があったこともあり、保存や臭い消し、香りづけとしてのスパイスの役割がとても重視されていました。

 

また厳しい暑さに見舞われる地域では、食欲増進や抗菌性が注目されてスパイスを大量に使う習慣もありました。このように日本と海外では、スパイスに関する背景に異なるヒストリーがあります。

 

まとめ

スパイスは日本においても広く使われるようになっていますが、まだまだ海外のように個々のスパイスをふんだんに使うような位置づけでは活用されていません。

 

伝統的な日本料理では、主張しすぎるスパイスは多用されることなく、薬味的な作用が重視されてきました。

 

とはいえスパイスは奥の深い素材で、その種類もかなりの数にのぼりますから、これから少しずつ日本料理と海外のスパイスの融合、または創作料理の開発といった場面で、日本におけるスパイスの普及が進むことが期待されます。

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