日本におけるスパイスの位置
とはいえ日本でも古くから親しまれているスパイスはあります。
例えば生姜や山椒、胡椒、桂皮などについては西暦8世紀ころにすでに言及されている記録もあり、これらのスパイスがある程度馴染みがあったことがうかがえます。
とはいえどちらかというと薬として使用されることが多く、料理のための味付け素材として広く使われることはありませんでした。
実際日本で調味料というと味噌や醤油、塩などがすぐに思い浮かびますが、真っ先にスパイスの名をあげる人がそれほどいないことは、日本におけるスパイスの料理への使用が、他国に比べてメジャーなものではないことの一つの証拠と言えるでしょう。
日本で採取されるスパイスは?
さて日本でも採取できるスパイスにはどんなものがあるでしょうか?実はけっこうな種類があります。
いくつか挙げると、「オレンジピール、クチナシ、サンショウ、シソ、タデ、にら、ハッカ、ミョウガ、ヨモギ、ゆず、わさび、ムラサキウコン」などです。ニラやシソやゆずはスパイスというよりはそのまま野菜や果物としてとらえられることが少なくないですが、日本ではこれらの香辛料が産出されます。
日本のスパイスの役割は?
では上記のスパイスにはどんな役割ないし作用があるでしょうか?全てはご紹介できませんが、メジャー度がそれほど高くないものについていくつかを説明します。
まず「クチナシ」ですが、こちらは果実がとても有名な香辛料です。こちらはよく素材の着色のために用いられます。
「タデ」は辛味をつけるのに使われたり、ユニークな香りと持っていることが特徴です。薬味や「つま」として用いられることがあります。
「ハッカ」はシソ科の植物で、スパイスというよりはハーブとして呼ばれることが多い素材です。清涼感を持つ素材として食品だけでなく薬品としても使われることがあります。
「ムラサキウコン」は「ガジュツ」とも呼ばれるもので、苦味があるのが特徴です。多量に使うと苦みが強すぎる物ですが、料理の味付けとして少量使われることがあります。
まとめ
日本では現在非常に多種のスパイスが使われていますが、日本における料理の為のスパイスの利用の歴史は深くはありません。しかし日本でも昔から親しまれているスパイスがあり、日本で採取されるものもあります。
特にサンショウやわさび、シソなどは料理にメジャーなスパイスとして認識されています。今後ますますスパイスを駆使した料理が開発されていくことが予想されるので、各スパイスの特徴に通じることは料理人にとって大切と言えます。
関連ページ
- 香辛料とは
- 香辛料と言えば、料理には決して欠かすことができない素材です。メインの食材とは違いますが、香辛料の使い方によってその素材を活かす事も殺すこともできますから大切な存在です。
- 中国のスパイスにはどんなものがある?
- 長い歴史を持つ中国料理の中で実に大きな役割を果たしているのがスパイスです。中国料理というと、とにかく強い火力、油をたっぷり使う事などがすぐに連想されますが、味を引き締めているのがスパイスです。
- ヨーロッパのスパイスにはどんなものがある?
- 西アジアや中東、アフリカ、ヨーロッパは人類史の歴史が古い分、食文化も昔から発展しているところがあります。スパイスに関してもそれは例外ではありません。
- 中東のスパイスにはどんなものがある?
- 中東あるいは中近東というと、ヨーロッパやアフリカ、アジア、インドなどとの距離感が近い分、食文化においては大きな影響を受けやすい地域の一つといえます。料理のバラエティーも広く、使われる素材もたくさんあります。
- 南米のスパイスにはどんなものがある?
- 南米という地域にも注目すべきスパイスがいくつかあります。少し地域を拡げて中南米という視点から書くと、「オールスパイス、カルダモン、ナスタチウム、レモングラス、レオンバーベナ、ローズヒップ、トウガラシ、ピンクペパー」などがあります。
- 世界のスパイスを合わせて美味しさを追求しよう
- スパイスは実に奥の深い料理の素材です。世界には何百種類というスパイスが存在していると言われますが、その中には単体でも大きな味や香りのインパクトを与えてくれるものもありますし、他のスパイスと組み合わせることで味のバリエーションを拡げてくれるものもあります。
- 香辛料で飲食店に差をつけよう!
- 「料理は芸術」とよく言われますが、実際料理の幅広さには限界がなく、ちょっとした工夫を加えるだけでその世界は一気に広まります。
- カフェでも使えるトースト向けスパイス
- オシャレなカフェなどに行くと、コーヒーやイングリッシュティー、ハーブティーといったドリンクはもちろんのこと、サイドメニューが充実していることが珍しくありません。
- カフェにあると人気のテーブルスパイス
- カフェやレストランに行くと、テーブルの脇のほうにいろいろなスパイスが置かれていることがあります。でも場所によってはあまりスパイスの種類が少なく、味の変化を楽しめないなんてこともあります。
- 料理が3倍おいしくなる極秘スパイスまとめ
- スパイスと聞くと、多くの日本人は香辛料という言葉を連想するでしょう。そして香辛料と言えばトウガラシとか胡椒、わさび、マスタードといった、いわゆる「辛い調味料」を連想することが多いと思います。
- スパイスを最も安く入手する方法
- パイスかつてヨーロッパにおいてとても貴重なものでした。スパイスをどれだけ使えるかが社会的立場を図る一つの指標のようになっていたこともありましたし、様々な帝国が香辛料をめぐって世界で覇権争いをした歴史もあります。
- 日本と海外のスパイス事情の違い
- 日本料理が近年世界中でブームになっています。世界のあちこちで寿司屋やラーメン屋、お好み焼屋などがオープンしていて、和食に対する関心もかなり高まっています。
- 甘さを引き出せるスパイスの使い方
- 日本料理が近年世界中でブームになっています。世界のあちこちで寿司屋やラーメン屋、お好み焼屋などがオープンしていて、和食に対する関心もかなり高まっています。
- 食欲増進につながるスパイスとは
- 春先から夏にかけてどんどんと気温が高くなってくると、自然と食欲が減退してくるという人がたくさんいます。何故気温が上がると食欲が出なくなるんでしょうか?
- ご飯に混ぜておいしい絶品スパイス
- 日本人の主食であるお米ですが、アジアだけでなく世界の広い地域で食されています。そんな中お米とスパイスを絶妙に使ったおいしい料理として注目を集めているのが、インドの「ビリヤニ」というカレー風味の料理です。
- 香辛料を長期保存するためのコツ
- 保存の役割があったり殺菌作用がある乾燥した辛い物というイメージがあるせいか、香辛料はとにかく長持ちすると考えられがちなことがあります。
- スパイスの味を引き出せるミルの粗さ
- スパイスと呼ばれるものには色々な形状があります。ペッパーのように粒状のものやわさびのように長形のもの、れ―レルのような葉っぱ状のもの、みょうがのような特殊な形など様々です。
- お肉の臭みが取れる便利なスパイス
- スパイスは薬味として淡白な料理にアクセントを置いてくれる役割がありますが、どちらかというと世界においては香りづけのために使用されることが多くあります。
- 魚の臭みをなくせる最強のスパイス
- スパイスは昔から肉の臭み消しによく使用されてきた素材ですが、魚の臭み消しとしても活躍します。
- 殺菌効果も期待できるスパイスとは
- スパイスは肉や魚や野菜などの食材に芳ばしい香りをつけてくれたり、保存性を高めたり、臭い消しに効果があるなどして昔から重宝されてきましたが、香辛料には殺菌効果もあることが分かっています。
- スパイス選びで薬膳も作れる
- 「薬膳」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?薬膳とは中国料理の一つですが、特徴として生薬と食材をうまく組み合わせて医食同源とか薬食同源のコンセプトを目指しているのが薬膳です。
- ハーブを乾燥・粉砕しておいしい料理にできる
- ハーブは料理に使うと料理の色どりを良くしたり、ほのかな香りをつけてくれたりと色々重宝される素材です。例えばバジルなどは鮮やかなグリーンや爽やかな香りがあって、トマト料理やピザなどによく使われます。
- オレガノとパセリを使いこなそう
- オレガノとパセリはイタリア料理でよく使われるハーブの2つです。どちらもフレッシュでもドライでも使用することができますが、使い道がたくさんあるので重宝されています。
- バジルとしそを使いこなそう
- バジルと言えば知らない人はおそらくそうはいない程の超メジャー級ハーブです。真っ先に思い浮かぶバジル料理はピザやパスタなどのイタリア料理でしょう。
- ハーブ資格を取るには
- ハーブは古来より料理の場面には欠かせない存在として食卓に君臨してきた素材です。植物の花や葉や茎などを使って、食材の臭いを消したり芳香な香りをつけたり、さらには保存料や薬としても使われてきた歴史があります。
- 薬膳資格を取るには
- 健康食品を扱っている店や健康を強く意識している料理店などで、「薬膳」というワードを目にした事はあるでしょうか?薬膳は今注目されている料理の一つです。
- スパイス資格を取るには
- おいしい料理を作るために必要な知識やスキルは数知れません。素材の栽培、入手、切り方、組み合わせ方、加工の仕方などマスターすべき事に限度はありません。